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朝礼のスピーチ2


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古ぼけたカバン

 
1. みなさまおはようございます。○○○○です。
きょうは私が感動した作文を読んでみます。(などの出だし)

2. 作文の説明 (結びに言っても可) 

3. 修学旅行 木村 芳子

 まちに待った修学旅行が目前にせまりました。旅費も母が内職して工面してくれましたし、服も靴もとり出し、持物の用意もすっかりととのえて、嬉しさにひたっていました。
 ところが、前日になって、私の気持ちは喜びから悲しみへと急に変わったのです。

 いつものように私は、学校で楽しく旅行のことを話し合っていました。
 「私ね、お父さんから素晴らしい旅行カバンを買ってもらったの」
 「そう、どんな色?」「明るい緑色よ、二千百円だって」「へえっ、私は赤いのよ」「私は、今日買ってもらうんだけど」「木村さんのカバンはどんなの?」。

 私は返事ができませんでした。私の旅行カバン、それは数年前に亡くなった父が、残していった古ぼけた、黒くてところどころ破れている男物のカバンでした。私はその時まで、カバンのことは少しも気にかけていませんでした。私は目の前が真暗になったような気がしました。

 その晩私は母にねだりました。うるさいほど必死になって新しいカバンを買ってくれとせがんだのです。
 母は「お金が無いのよ、辛抱しなさい」の一点ばりでした。私は母を恨みました。「たった一人の娘が、晴れの修学旅行に行くのに、お母さんのバカバカ・・・」。そう叫んで私は寝床へ飛び込んで、蒲団を頭からかぶりました。「ああ、お金持の子に生まれたい」。涙がとめどもなく流れました。

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 ついに旅行の日が来ました。
 あれほど楽しみにしていた修学旅行、それが古ぼけたカバンのために、私にはなんとのろわしいものに感じられたことでしょう。
 私は母に別れのあいさつもせずに重い足を引きずりながら駅へ向かいました。みんなの視線が私のカバンに集まっているような気がして、私はいてもたってもいられないような気持でした。

 私は友達が話しかけてきても、うわの空の返事をしながら、みんなのカバンを眺めまわしました。どれもこれも立派な新しいカバンばかりです。赤や黄色や緑や茶や、まるで花園のようです。

 それにくらべて、私のカバンがどんなにみすぼらしく見えたことでしょう。
 「ああ・・いっそのこと何も待たないで来た方が・・・」と思いました。

 「ピーッ」と笛がなりました。私は重苦しい気持で車中の人となりました。みんなは楽しそうに親たちと別れの挨拶を交わしています。私の母は来ませんでした。いや来ていたのかもしれません。私は母が見えなければいいのにと思いました。むしろ見たくなかったのです。

 列車が動きだすと、早速みんな楽しそうにおしゃべりを始めました。私はカバンをみんなに見えないようにして黙って座っていました。
 こんな修学旅行を何年も前から楽しみに待っていた自分が馬鹿らしく思われました。

 「木村さん、お菓子食べようよ」山口さんの明るい声に私はハッとわれにかえりました。私はほしくありませんでしたが、食べないとよけい変に思われるので仕方なくカバンをあけてお菓子を取り出しました。

 するとカバンの中に封筒が一枚入っています。私はいぶかりながら封を切って中に入っている一枚の便箋をとり出しました。

 「芳子さん、あなたにはお母さんは心からすまなく思っています。あなたにどんなにか新しいカバンを買ってあげたかったことでしょう。でもどうにもならなかったのです。お母さんにはあなたの気持がよくわかります。だから心からお詫びします。あなたがつらいだろうと思うので駅へは見送りません。家の窓から汽車が通るのを見送りたいと思います。同封の二百円は小遣いの足しにして下さい。
 お母さんにはこれだけがせい一ぱいです。お母さんもあなた以上に悲しいのです。けどがまんします。あなたもがまんして下さい。元気で帰るのを待っています。」

 私は急に涙がこみあげてきました。封筒の中には百円札が二枚入っていました。私は大声をあげて泣きたくなりました。
 「お母さん、いいのよ、私こそごめんなさい。わがままばかり言って」
今までのつらさも悲しさもふっとんでしまいました。なんというありがたい母の心、なんという深い母の愛情でしょう。

 「お母さん、芳子は古ぼけたカバンで充分です。このカバンの中には何よりも尊いお母さんの愛情が入っているのですもの。私は堂々とこのカバンを振って歩きます。」

 私は心の底まで明るくなりました。私には古ぼけたカバンがどんなに立派に見えたことでしょう

(この作文は昭和の時代、和歌山県の中学生の書いたものです。)

4. (自分の感想、意見を述べる)

5. 私の感動した作文についての話をしました○○でした。

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公開日:
最終更新日:2014/10/07

 
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